今回はジョジョ5部のその後を描いた外伝小説「恥知らずのパープルヘイズ」に登場するスタンドを紹介します。
ストーリーについては触れないので、小説・アニメのネタバレは含みまないので安心してお読みいただけるとおもいます。
スタンド「ヴードゥー・チャイルド」

出典:恥知らずのパープルヘイズ
【破壊力 – B /スピード – A /射程距離 – E /持続力 – E /精密動作性 – B /成長性 – B 】
本体:シーラE
近距離パワー型スタンドです。ものを殴ると唇を浮かび出てきて、その場にいた者の「陰口」を聴くことが出来る、諜報活動に使える能力です。
戦闘にも使えるスタンドで、人間を殴った場合、唇はその人間の深層心理からの罵倒を行い、相手にショック死もあり得るほどの精神的なダメージを与えることができます。また、出てきた口を相手に噛ませることもできます。
「姉を殺した犯人を捜す」という目的から、残された手がかりを漁りつつ相手に罪を思い知らたいと言う復讐心が反映されているスタンドです。
ラッシュの掛け声は「エリエリエリエリ・・・ッ!!」。
スタンドオール・アロング・ウォッチタワー(劇団<見張り塔>)

出典:恥知らずのパープルヘイズ
【破壊力 – C / スピード – B / 射程距離 – A / 持続力 – A / 精密動作性 – A / 成長性 – E】
本体:カンノーロ・ムーロロ
53枚のトランプに憑依した群体型のスタンドです。53枚のトランプでトランプタワーを作るとトランプから手足が生えてきて、知りたいことを舞台演劇風に演じてくれます。
……というのは表向きの能力です。
その本来の能力はトランプ自身がその薄さを利用して情報収集をして色々なところに忍び込み、占いは情報収集の結果を伝えていただけに過ぎません。「ヴードゥー・チャイルド」と同じように、こちらも諜報活動に向いたスタンドです。
暗殺に適した群体型スタンド。
ムーロロが無敵と自負するだけありそのスタンド能力は非常に高いです。同じ群体型スタンドであるバッド・カンパニーやハーヴェストと比較してもバッド・カンパニーの破壊力と両スタンドの成長性以外は互角以上の性能です。
また、群体型スタンドの特性を生かし、敵の攻撃をトランプが肩代わりしてくれるので、本体のムーロロに与えられるダメージは実際の53分の1というずば抜けた防御力を持っています。
後述するビットリオ・カタルディと彼の短剣のスタンド「ドリー・ダガー」にとってはまさに天敵ともいえる能力です。
余談ですが、ムーロロがスピードワゴン財団の研究者から得た情報によると、彼やリゾット、形兆、重ちーのような群体型スタンドの本体は心に何らかの欠落を抱えているというそうです。残念ながら恥知らずのパープルヘイズではその欠落が明かされることはありません。
スタンド「ドリー・ダガー」

【破壊力 – A / スピード – A / 射程距離 – C / 持続力 – A / 精密動作性 – B / 成長性 – C】
ナポレオン時代の古い短剣と一体化したナイフの見た目をしたスタンドです。
本体のビットリオが受けたダメージの約7割を、その刀身に映り込んだ対象に転移させる事ができる(標的に出来るのは短剣に映ったもののみ)。
ビットリオの「自分は悪くない」「責任転嫁したい」という思いから発現した能力です。
ダメージは自傷によるものでも第三者によるものでも何でもよく、銃弾やウィルス感染でも有効です。
映り込んだ物は本体が食らうだけの衝撃が同じ比率で転移する為、ダイヤモンドのように硬質なものでも、ゴムのように柔らかい物でも容易く真っ二つに切り裂かれてしまいます。
ただし、残る3割のダメージはビットリオ自身に残ってしまう為、場合によっては例えダメージが軽減されても自身の命が危険にさらされてしまう場合があります。
通常ならば、相手と自分のダメージ比率は7対3で、自分が受けた分の倍のダメージを相手に与えられます。
しかし、ムーロロのスタンド「オールアロング・ウォッチタワー」の、相手の攻撃の影響を53分の1にする能力の前では、逆に約20分の1しか与えられないことになる。作中でムーロロが言った通りの、天敵に等しい相手でした。
スタンド「マニック・デプレッション」

出典:恥知らずのパープルヘイズ
【破壊力 – C/ スピード – A / 射程距離 – E / 持続力 – B(薬物効果は半月ほど)/ 精密動作性 – B / 成長性 – C】
本体:マッシモ・ヴォルペ
麻薬チームのリーダー、ヴォルペが持つ脳内麻薬を作り出すスタンドです。全身から注射器の様なトゲを出して、刺された対象者の生命力を過剰促進させる能力を持つ。
劇中では塩に浸透させて、この溶液を静脈に注射した者の脳内麻薬を過剰分泌させる事で、既存の違法薬物と同等かそれ以上の効果を肉体にもたらす事ができます。
第5部で蔓延していた麻薬の正体とはこのスタンド能力で麻薬の効果を与えられたただの塩であることが恥知らずのパープルヘイズで語られます。
麻薬化した塩は例え本体から離れていても効果が持続し続けるもののその効果は半月ほど経つとただの塩に戻ってしまいます。このため麻薬が流通していた頃は「パッショーネの麻薬は新鮮だから賞味期限がある」という噂があったとされていました。
実際に賞味期限があった麻薬物質ですが、この性質は麻薬を流通させるときに問題となる横流しを防ぐ上で非常に都合が良く、組織の統制に大きく貢献しました。
スタンド「レイニーデイ・ドリームアウェイ」

【破壊力 – E / スピード – B (霧雨の広がる速度)/ 射程距離 – A / 持続力 – A / 精密動作性 – E / 成長性 – E】
霧雨の形状をしたスタンド。その能力はたとえば一瞬頭をよぎる程度の思い込みを永遠に持続させるという効果を相手に与えるという能力です。
このスタンド能力にとりつかれると「転びそうになる」といった感覚を定着させると転ぶまいと勝手に体を踏ん張り続けて最終的に“横向き”に落下して行きます。
「こいつには勝てない」と思った相手にその感覚を定着させると相手への攻撃は愚か防御する事すら叶わず、成す術もなくやられてしまいます。
さらにひどい場合にはちょっとした傷や病気に掛かり「死ぬかもしれない」という思いを定着させると思った本人は本当に死んでしまう事になってしまう、とても凶悪なスタンドです。
スタンド「ナイトバード・フライング」

出典:恥知らずのパープルヘイズ
【破壊力 – E /スピード – A /射程距離 – A /持続力 – A(症状が続く限り) /精密動作性 – E /成長性 – E 】
本体:アンジェリカ・アッタナシオ
小鳥の姿をした半自律型のスタンドです。
人間の魂を探知して追尾し、相手を末期的な麻薬中毒症状に汚染し幻覚を見せる能力です。恥知らずのパープルヘイズは相手の精神に干渉する能力が多いですが、「ナイトバード・フライング」はその例にもれず相手の精神にとりつく強力なスタンドです。
幻覚の内容は攻撃対象によって変わるようで、フーゴには過去の出来事全てが自分の思い通りに進んだ「都合のいい未来」を、ヘリコプターのパイロットには即座に自殺に追い込むほどの「あまりに恐ろしい幻覚」を見せました。